矯正治療
矯正歯科治療を矯正歯科に精通した院長自身が行うということ etc
矯正歯科治療だけを行っている歯科医院は限られていますが、一般歯科治療だけでなく矯正治療も行っている歯科医院は決して珍しくありません。
こういった場合の多くは、矯正を専門とする歯科医師が非常勤(月1~2回、多くても週1~2回程度)で矯正の出張治療を行っています。 矯正日が決まっているため、予約がとりづらく、一度にたくさんの患者様を診なくてはならず、そのため、一人の患者様にかける時間は少なくなる傾向にあり、また、矯正治療のための器具・器材の滅菌・消毒などもおろそかになりがちです。一度キャンセルすると、急を要する場合であっても、次の診療は1ヶ月以降などということも珍しくないようです。
(実際にこういった不安や問題をかかえる患者様が当院に多く来院されることから、このコンテンツを載せることにしました)
矯正を専門として、技術力のある歯科医師であっても、これらの課題を克服することはなかなか難しいことで、それぞれの医院の院長と歯科医師とのコミュニケーションや院長の矯正歯科に対する理解度が重要なポイントになるようです。
また、院長自身が矯正治療を行っている場合でも、不安や問題をかかえる患者様が当院に来院される事が少なくありません。その多くは、前歯は何となく並んだけど(部分矯正などを含む)、出っ歯になって唇が閉じにくくなったとか、食べ物を噛み切れなくなったとか、すぐに戻ったとか、顎が痛くなったとか、頭痛がひどくなったとか、なかには矯正治療する前よりひどくなったとか、まったく治っていないと訴える患者様もいらっしゃいます。 こういった事は、マウスピース型矯正装置を用いる治療や部分的な矯正で治療を進めた患者様において特に多いようです。私自身は、”数回の矯正歯科治療の講習会を受けたくらいで、矯正歯科治療に精通する事は中々難しい”と認識しています。当たり前の事ですが、矯正歯科治療に携わる者は、矯正歯科治療に精通していなければなりません。
(当院でも行っているマウスピース型矯正装置を用いる矯正ですが、この装置を適切に扱えていない場合や適応症を誤った場合などによるトラブルが多発しているので注意が必要です。この装置は、しっかり使用しないと中途半端に歯が移動し、悪いながらも安定していた噛み合わせがずれて、思わぬ副作用が出ることがあります。この悪いながらも安定していた噛み合わせがずれて思わぬ副作用が出るのが稀ではない事に関しては、部分的にしか歯を動かさない矯正にも当て嵌まります。そうなった場合のフォローができる、しっかりした技術が必要です。また、マウスピース型矯正装置を用いる矯正や部分的な矯正での限界や危険性を患者様にしっかり理解して頂く事も非常に重要だと思います。一見、手軽にみえるマウスピース型矯正装置を用いる矯正や部分的な矯正ですが、慎重さが必要です。)
当院では、矯正歯科治療を矯正歯科に精通した院長自身が行っていますので、これらの課題を克服しています。どうぞ、ご安心ください。
また、最近小児矯正が注目されているようです。当院でも、予防矯正として、小児の乳歯が生え変わるまでの矯正治療を行っています。ですが、予防矯正だけで矯正治療が完全に終了する事はあまりありません。予防矯正治療により、短期間でそれなりの成果が表れる事は珍しい事ではありませんが、それがずっと安定するとはなかなか言い難いからです。それは、①小児矯正の時点では全ての乳歯が生え変わっていないので一本一本の永久歯をコントロールできる訳ではない②永久歯が生え変わった時点で成長が終了している事はないため成長による変化が残っているからです。小児矯正だけで矯正治療が終了し安定するのであれば、矯正治療の本質は小児矯正が中心と言う事になりそうですが、現実はそうでない様です。
(すでに終えた小児矯正治療の結果に対してのご相談がある場合は、当院、無料矯正相談をご利用いただければと思います)
ところで、皆様、矯正治療前後の写真はできれば欲しいですよね?当院では、開業以来、矯正治療を終えた患者様に矯正治療前後写真を全員にお渡ししています。
矯正治療前後の写真を比較することで、矯正治療の効果が実感でき、大変だった矯正治療が良い思い出になるのではないかと思っています。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けることが重要です。
また、歯が動くと隠れていた虫歯が見えるようになることもあります。 - 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきが痩せて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。
加齢や歯周病等により歯を支えている骨が痩せると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。 - 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。